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IONQ 米国量子コンピューター株

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米国と中国の覇権争い激化。

次世代計算機の量子コンピューターを巡る覇権争いが激化しているようです。国家間では、米国と中国が、多額の予算を注ぎ込み、研究開発を支援しています。

EUや、日本も指をくわえているわけにもいかず、競争に加わっています。

コンピューターの覇権争いといえば、スーパーコンピューターの性能で日米中が三つ巴の争いを続けていますが、量子コンピューターは、その完全な延長線上にあるわけでもなく、異なった領域での競争となります。

量子コンピューターでは量子力学という、ミクロの世界で起こる物理法則を利用し、計算力を飛躍的に高める技術が基盤となります。量子コンピューターの世界では、従来型のコンピューターを「古典コンピューター」と呼んでいますが、古臭いという意味ではありません。古典力学を元に設計されているため、このように呼ばれているそうです。何かと話題の量子コンピューターですが、何がスゴいのでしょうか?

量子コンピューターは名前から分かる通り原子や電子等の量子の性質を利用して計算を行います。量子の状態や性質は量子力学によって説明がなされていますが、量子特有の「量子重ね合わせ」や「量子もつれ」という性質を利用することで、従来のコンピューター(古典コンピューター)のような「0」と「1」のみによる計算ではなく、超並列計算が可能になるとのことです。

量子の世界なんて難しくてよく分かりませんが、いずれにしても、特定の分野の計算において、従来のコンピューター(古典コンピューター)と比較にならないほど、爆速で計算が出きるそうです。(例:2,048ビットの数字の素因数分解を見つけるには、古典コンピューターでは何百年もかかります。これに対して量子ビットでは、ほんの数分で計算を実行出来ます)

量子コンピューターにも得手不得手があるようですが、得意分野の計算力は最新鋭のスーパーコンピューターを遥かに凌駕します。異次元の計算力は様々な分野に活用され、産業の技術革新を促すと期待されています。ただ実用化には課題も多く本格的に運用されるまでには長期の研究が必要との見方も根強いようです。

とはいえ、宇宙開発や、暗号技術、軍事防衛などにも利用できると見られるため、国家間の開発競争激化は当然の帰結です。中でも中国は力を入れており、政府が総額で1000億元(2兆500億円)以上を投じ、量子技術の研究開発を支援するとも報じられています。内閣にあたる国務院の直属の研究機関である、中国科学院とアリババ集団「BABA」が共同で共同で研究を進める他、中国科学技術大学が巨額の研究費を獲得するなど、産官学が一体となって米国を追い上げています。

中国に先行を許すわけにもいかない米国も産官学の協力を強化しています。トランプ政権下の2018年12月に「国家量子イニシアチブ法」が成立し、研究開発の体制を整備する方針が打ち出されました。さらにバイデン政権も2022年5月、量子技術の研究開発を加速させるための大統領令を出しています。

IONQの会社概要

アメリカのNASDAQに上場している量子コンピューターの会社です。同社は量子コンピューティング技術のリーダーとして位置付けられ、特にAIとの融合を図り、量子マシン学習の応用で業界を牽引する存在となっている。戦略的パートナーシップ=グーグルやアマゾン等からの出資、ハードウェアの進化により、成長が予測される量子コンピューティング市場での更なる成長を期待されています。

IONQのこれから

IONQは量子コンピューティングの能力を活用して、特に自動車や化学製造分野での量子マシン学習モデルの優れた性能を示してきた。

また2~3年以内に商用アプリケーションでの、量子ハードウェアの準備が整うと予測しており(これは、楽しみです)、量子自動車ソリューションや、量子セキュリティの大きな市場機会を目指している。最新の発表では、2025年には64キュービットのマシンが完成する見通しとのことです。64キュービットのマシンは現在のスーパーコンピューターの10万倍の規模のシミュレーションが可能だそうです(スゲー…)

財務状況としては、2023年第四半期および通年で、強固な財務成績を報告し、予測を大幅に上回る収益と予約を記録した。

第四半期の収益は、610万ドル、年間収益は、2200万ドルを超えている。年間の予約は、6510万ドルに達し、初期ガイダンスである4000万ドルを大きく上回った。

IONQは、量子コンピューティング分野における、その戦略と成果を決算説明会で効果的に伝え、強力な財務成績と未来に向けた明確なビジョンを示した。IONQは、早期に三大クラウド(マイクロソフトのAzure Quantumと·アマゾンのAWSと·グーグルのGoogle Cloudと)でのサービス提供を開始してきたため、現在商業ベースでの利用が増えています。

先進的なハードウェア、戦略的パートナーシップ=IONQの量子コンピューターは既にAmazonWebServices(AWS)の「Amazon Braket」や、マイクロソフトの「Azure Quantum」といったクラウドサービスで世界中から利用できるようになっています、そしてビジネス向けの実用的なソリューションに注力することで、IONQはAIと量子コンピューティング市場において、利益を生み出すための良い位置にいる。